山上高人写真集「時計の外の時間」の評論

 19941010日発行

 光村印刷 BeeBooks

時計の外の時間39

「時計の外の時間」は、「退屈な午後」「それから」「メンタルスケッチ」の3部構成

退屈な午後3-33

退屈な午後

メンタルスケッチ1-33

メンタルスケッチ

それから1-34

それから

林忠彦賞選考記事32フォトコンテスト19954月号 「林忠彦賞の選考を振り返って」

全国から37点の作品が選考対象として集まり、長時間にわたる選考の中で、作品が絞り込まれていった。その中で、山上高人写真集「時計の外の時間」は、印象に残った作品として、選考を通過しノミネートされた。

日カメ95日本カメラ 19952月号 「話題の写真集」

山上高人写真集「時計の外の時間」

1974年、学生時代に独学で写真を始めた頃の「退屈な午後」、子息4人のスナップ集「それから」、17年ぶりに本格的に写真を再会し、心象風景でまとめた「メンタルスケッチ」の3部構成。作品への深いイメージの構築と、研ぎ澄まされた感覚が全編を覆っている。

フォトコン95-38フォトコンテスト19954月号

新刊紹介・山上高人写真集「時計の外の時間」

岡山県倉敷市に在住する著者が、20年前の生家の周辺や妻などの映像をもとに、子供たちの記録と新たに撮った「メンタルスケッチ」を加えてまとめた写真集だ。「メンタルスケッチ」は、文字どおり道端や草むらの風景を白黒で強調しイメージ化したもの。影絵風の子供の表現も面白い。

ニッコール95ニッコールクラブ1995年春no.152

山上高人写真集「時計の外の時間」紹介

作者が70年中頃から始めた写真をまとめたものがこのたび出版されました。私的記録と作者独自の心象風景がおだやかなモノクローム作品の中に表現されています。

canon95CANNON CIRCLE 1995年春no.419

今月の新刊「時計の外の時間 A TIMELESS LIFE

記録性や社会性から解き放たれた、感覚だけの世界を撮る。

作者は「世俗的なわずらわしさとは別の所で、感覚的に普遍的なすばらしさを持つ心象の風景の中にいたい」と願う。退屈な午後、写真の虫が目を覚まして、あたりかまわずシャッターを押す。野良ネコ、瀬戸内海の島、オンナたち……、なにげない日常の中で、ふと見つけたエアポケットのような空間。そこから風景は果てしなく外へ外へと広がっていく。まるで終わることのない白昼夢を見るような、不思議な感覚を呼び覚ます写真集だ。

HOME

プロフィール

山上美術館

写真集

高人評

時計の外の時間